オタクに旅行の写真を見せてたら架空の旅行記を書かれました
↑顔パックで美容にも気を遣う721系くん
「ご乗車ありがとうございました。札幌です。」
途中下車作者の朝は早い。「北海道の玄関口」新千歳空港に到着してから数十分、私は「北海道の玄関口(1)」札幌駅のホームに立っていた。
「ここから俺の旅が始まるんやなって」
そう叫びながら乗り込んだのは回送列車。
「お客様!回送列車です!ご乗車できません!」
なんだ。せっかく日常を離れて北海道までやってきたというのに、こんなところでも世間は俺をルールに縛り付けるのか。
721系のクロスシートが俺をやさしく包み込む。お前だけだよ。俺に寄り添ってくれるのは。
………
まあ、俺は良識ある大人だからちゃんと言うことを聞くんだけどね。
そうでもないとこの世の中生きてけないってもんだ。
自分に言い聞かせる。
"Out of Service"。なんと冷淡な言葉だろう。俺はサービスしてもらえないのかっての。
おじさん泣いちゃう。
なんなら朝じゃなくて夜だったみたいだ。
人間の記憶ってのは怖いもんで、自分が「これだ!」と思った方向にどんどん突き進んでしまう。
この前とある牛めしチェーンに行ったときもそうだった。俺は牛めしの並を注文したのだが、
途中下車作者の夜は遅い。